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医療のグローバリゼーション
加藤和明
2011年01月07日 |
年明け早々、昼食に立ち寄った行きつけのレストランで、IPU(茨城県立医療大学)時代の“同僚”であったKa先生に出会った。心臓内科の医師であるこの知人から興味深い話を伺った。前立腺がんに襲われた友人の在米アメリカ人医師が来日して都内の某医大付属病院で治療を受けたという。
麻酔を専門とする米人医師が、幾つかある治療法の中からから、自らの意思で放射線治療を選択したという事実と、それを日本の病院で受けることを強く希望し、友人であるKa先生に然るべき施設と医師の推薦を求めてきたという事実に感じるところが少なくなかった。
私がIPUの教授会でKa先生と席を同じくしていたときの学長Ko先生は、Urologyが専門で、Ka先生と同じ鉄門の出身である。当然のように、Ka先生はKo先生にご相談されたそうであるが、Ko先生が選ばれた病院は母校のものではなかった。“鉄門”のウロは、天皇陛下のお世話をしているところであるが、天皇への治療法は放射線によるものではないと聞いている。相対的に得意でないものは敢えて推薦せず、真に“最高と信じるもの”を勧められたということに、またまた大きな感銘を覚えたのであった。
要する費用がアメリカに比べて相当に安いということなのか、加入している医療保険がアメリカの外でも適用させるということなのかは分からないが、アメリカの一流医師(?)が、治療先をアメリカではなく日本にしたということは、医療の技術や施設が世界的に見ても一流であると評価されているということであろう。
青森の高級なリンゴや新潟の高級な米が、外国に高い値段で輸出され出したように、高度医療もこれからは外貨稼ぎの花型になるのではなかろうか。
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