RSF 放射線安全フォーラム 本文へジャンプ
理事長コラム


放射性同位元素と放射性同位体
加藤和明
2010年04月28日

 先ほど飛び込んできたニュースによると、放射線障害防止法の改正案が今日参議院を通過して成立したそうである。「放射性汚染物」などの新概念が織り込まれているようであるが、筆者が秘かに期待していた「放射性同位元素」を「放射性同位体」に改めることはなされなかったようで残念である。

 Radioisotopeの訳として、大学受験の時は「放射性同位体」、放射線取扱主任者試験を受けるときには「放射性同位元素」としなければならない状況がこれからも続くことになる。どちらの文部科学省という同一のお役所がやっていることである。

 放射線防護に関連する法令の多くは、漢字の使用制限が最も厳しかったころにつくられたものである。それで、「被曝」は「被ばく」、「遮蔽」は「遮へい」などと仮名交じりとされたり、「較正」を「校正」、「規程」を「規定」としたように、本来別の意味で用いられていたものが流用されたりしていた。

 パソコンが普及し、だれもがワープロで簡単に単語を“書く”ことができるようになり、主要紙の多くは今日「遮蔽」や「被曝」などと漢字で書き、ルビをつけたりしている。「規程」と書くべきところが「規定」になっていたのは、科学技術庁が文部省と統合されてすぐに改められたが、「校正」は相変わらずである。



前回のコラム サザエのつぶやき:相談することも社会貢献 次回のコラム



コラム一覧