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■放射線相談室 Q&A
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相談室#20 戸外に放置したホース中の放射能 |
【質問】
東日本大震災の前から家の外に出しっぱなしのホース(巻いてあるホームセンターなどで売っているもの)を処分しようとホースを切ったらホースから水が出てきました。ホースは福島第一原発の事故の前か後か分かりませんが約7年前(6年かもしれないし8年かもしれません)に使ったきりほとんど使わず、家の外に放置していました。ホースから出てきた水が放射線、放射能に汚染されていたのではないかと心配です。
ホースの置いてあった場所は埼玉県越谷市です。 |
【回答】
まず、その地区のセシウム汚染の度合いがどの程度あったかできたら確認する。
市のホームページに掲載されています。
そのホースは、水道につないで使用したと思われますが、その入っている水の起源が水道であれば、汚染の可能性は低いと思います。 水道局で一時ヨウ素などが混入したことで問題になりましたが、普通に飲んでも問題にならない量、ましてヨウ素の半減期は、非常に短いので、消滅しています。
セシウムについても検出された時がありましたが、飲み水の基準の10分の1以下です。 それ以降は検出されていません。 その後もそのホースを使用したとすれば汚染はないと言えます。
原子力災害以前に使用したものであれば、水の汚染はありません。 今までに雨水が入り込んだとすれば、その後の雨水には、汚染は検出されませんので問題ないと思います。
たとえ井戸水を使用していた場合でも、地下水にはセシウム汚染がありません。
普通に一般ゴミに捨てても問題ありません。 |
相談室#19 核医学治療での公衆の放射線防護の考え方 |
【質問】
国土の狭い日本でも、甲状腺アブレーション患者への 1.1GBqまでの外来治療が認められております。
患者家族の義務として下記に書かれております「決まり」を遵守する事が条件となります。
http://www.jsnm.org/files/pdf/guideline/i-131_jisshiyoukou_100622.pdf
決まりを守らなかった場合は、医者ではなくサインをした家族の責任ですが、被ばくするのは家族だけではありません。 しかも、管理されていない場所・物への汚染は、経験から
1E-1〜1E+2Bq/cm2にもなり、汚染から飛散する放射性ヨウ素による内部被ばくの恐れもあります。おそらく、亢進症の外来治療(500MBq)と合せて数百人/病院・年間の患者が一般社会に出るでしょう。
一般人に対する放射線管理の考え方に、原子力も医療も無いと思いますが、10μSv/年を考える専門家として、どのようにお考えでしょうか? |
【回答】
身近に放射性医薬品の投与を勧められたか、あるいは既に投与を受けられた方が居られて、色々思い悩んで居られること、また、物事をきちんと理解し、ご自分として納得のいく“最善・最適の解”を得たいと願って居られるらしいことが、ひしひしと伝わって参りました。
私自身そういうタチですので、失礼ながらとても親近感を覚えると共に、敬意を表させて戴きます。
この問題に対する行政の取り組み方やその学術的背景については、相当深くご勉強されて居られるように拝察しましたので、別の視点で私の意見を述べさせて戴きます。
私たちはみな例外なくいつの日か命の終焉を迎えます。この世に生を戴いたのが自分の意思とは離れたところで起きた様々の“必然”と“偶然”に依るものであったのと同じように、何時その日を迎えるかについても、通常は自分の意思から離れたところに在る数々の要因によって決まります。
放射線の本性は、私たちの身体を形作っている素材と全く変わらない“素粒子”です。 放射線が人体に飛び込むと“素粒子”同士の間に働く力で、生命再生産の処方であるDNAに傷をつけることがあり、それが遠因となって突然変異や染色体異常が生じ、また遂には“がんの発生”に結びつくこともあるといわれていることもご承知のことでしょう。
しかし、DNAにできた傷の量に比例して突然変異や染色体異常が起きる訳ではなく、またそれらに比例してがんの発生率が増える訳でもないと放射線生物の専門家が言っています。
大体、私たちは、空気を吸って酸素を摂取しないことには生きて行けない訳ですが、その酸素吸入によってDNAは毎日100万個のorderで傷ついているといわれます。
それを毎日修復して(あるいは不都合なものは除去して)命の営みを続けている訳です。
DNAに傷を受けることによるもの以外にも、私たちの命を脅かすものは身の周りに沢山あります。 目に見えないものだからといって、放射線だけを必要以上に怖がることはお勧めできません。
放射線の働きを利用して、あるいは放射線との付き合いが避けられない高度な技術の活用を避けることによって失うことになる便益をみすみす手放すことに繋がりかねないからです。
放射線が人体に齎す悪さというのは、身体に受ける放射線の量によって決まることで、しかも、実際上はある量を超えない限り、影響の発現は目に見えるものとなりません。
医療における放射線の利用は、ご指摘になられている色々の形での社会へのインパクトについても、関係する専門家が十分に配慮して、いわば“国策”として定めた方針に従って為されるものです。
ここは専門家を信じて、その言を信じることによりストレスをためこまない方が健康にとって望ましいことであると、私は割り切って考えるようにしています。
10年一寸前に起きたJCO臨界事故で学んだ教訓の一つは、放射線の人体に及ぼす影響と放射線事故が人体に及ぼす影響は同じでないということでした。必要以上に心配し過ぎては却って身体に障るものの方が大きくなるのです。 |
【回答へのコメント】
3番目のパラグラフで活性酸素によるDNA損傷とのリスクの比較がなされていますが、最近は clustered damageに着目した議論も展開されています(Cf.
ICRP Publication Annex A, section A.2.1)。
A.2.1. Biophysical aspects of radiation action on cells
ここでICRPの勧告を示しているのは、ICRPの権威に縋っているのではなく、入手しやすいレビューであるからです。 |
【関連コメント】
甲状腺疾患に対する I-131を用いた治療は有益ですが、わが国では放射線治療病床数が減少しており、患者さんがその恩恵を受けられない憂慮すべき状況であることは質問された方もご存じの通りです。
わが国で放射線治療病床数が維持できないのは放射線管理コストなどによります。 わが国の排水濃度基準などは国際標準を用いていながら、医療機関の放射線管理施設が世界標準から乖離しているのです。
(欧州での取り組み例:MEDIWASTE − management of liquid radioactive Effluents arising
from medical establishments in EU member states and candidatecountries)
https://ndrecovery.niph.go.jp/trustrad/sewerage.html
この状況で I-131を用いた放射線治療をどの程度認めるかどうかは、患者さんが受ける恩恵と公衆が受ける放射線リスクのトレードオフになります。
患者さんに投与した放射性同位体に由来した放射線をごくわずかであれ曝露しうる非放射線業務従事者は、医療機関の管理区域外の清掃労働者、医療機関内で患者さんが集まる場所で従事する労働者、タクシーなど交通関係労働者、患者さんが宿泊する場合の宿泊施設の労働者、患者さんの排泄物が集まる下水処理場の労働者、患者さん由来の廃棄物が集積する廃棄物処理施設の労働者、透析など非放射線部門の労働者、火葬場の労働者などでしょう。
今回の国の通知では、これらの方の曝露によるリスクが受忍可能なレベルになるように求めた上で放射性同位体を投与された患者の管理区域からの退出を認めたもので、社会的にも大きな意義があると考えられます。
より曝露を減らすための手段を講じるかどうかは、そのコストにもよるでしょう。 その観点からも関係する専門会社が医療機関を支援する上質のサービスを提供されることで、医療での放射線利用に対する社会への信頼を高め、クリアランス制度の導入にご貢献されることが期待されます。
なお、放射線審議会から答申されたクリアランスレベルは 10μSv/yから誘導されていますが、そのレベルは公衆への曝露を 1mSv/yとすることを目標としており、厚生労働省からの通知と考え方の齟齬はありません。例えば、管理区域から退出した患者がある老人保健施設に集まるということがあれば、それへの配慮が必要なことが通知でも示されています。 |
【質問者からのコメント】
一般公衆に対する被ばく影響の総合評価は、ユーザー側ではなく、第三者(インスペクター)としての放射線管理屋の仕事であるべきだと考えます。
この質問提出させて頂いた理由は、医療の専門家以外の先生の意見もお聞きしたいと思ったからです。頂いた加藤先生の文面からも、新しい放射線管理の方向が見えてきます。
ワンヒット・ワンエラーの時代から、私も頭を切り替える時代に入ったのかもしれません。
ありがとうございました。 |
相談室#18 放射能(トリウム232)の規制値 |
【質問】
法律(炉規法など)では、トリウムは特に核種を特定していませんが、トリウム232を想定して、放射能の規制値を記述されているのでしょうか? |
【回答】
我が国の法令では、核燃料物質や核原料物質の規定を元素名で行っていて、核種での特定を行っていないのではないかというご指摘は、その通りです。核燃料物質にしている元素の放射性核種は「放射性同位元素」
から除外され、放射線障害防止法の適用外とされています。
私(加藤和明)は、現役時代、Th-230という核種の“微量放射性物質”をアルファ線源として使うのに、核燃料物質として使用許可申請を求められ、そうしたことがあります。Pu-238を
C-13とともに用いて高エネルギーのガンマ線源を作るため入手しようとしたときも、核燃料物質としての「使用許可」の申請をいたしました。 |
【質問者による質問の補足】
NORMは、トリウムやウランを含んでいるでしょうから、法で言う「核原料物質」だと思うのですが、この(鉱石の場合)の放射能は、天然由来であり、系列すべての子孫核種を含んでいるので、放射能は『すべての核種の崩壊に係る放射能の合計』として規定されていると思います。
一方、鉱石などを原料にして精製したトリウム(Th-232と Th-228だけとなりますが)を含む材料などについては、30年もすれば永続平衡となり元の放射能に戻るにもかかわらず、精製前より精製直後の方が10分の1ほどになるということで、トリウムの使用等に係る「ガイドライン」には、精製トリウムの方が、管理基準放射能値が高くなっています(と理解しています)。また、航空法などの法律でも、トリウム(ナチュラル)とトリウム232とは、同様にトリウム232の方が、規制がゆるい(と理解しているのですが)。
どうも、法律やその他の国際的な規制などがはっきり理解していないので、混乱して、何がなんだかわからなくなって困っています。また、国際規制物資には別の規制があると聞きましたが、くわしく知りません。まずは、炉規法などの放射能濃度を正しく理解したいと思っています。また、精製トリウムを含む材料の使用等に係る「ガイドライン」の背後にある考え方についても理解したいと思っています。 |
【解説】
- 法的に規制対象としての「トリウム」は元素の質量でもって規定されているのでトリウム232とトリウム228を想定していると考えられます。もっとも、トリウム228のトリウム232に対する原子数存在比は極めて小さいので、計量上は、無視できると考えられます。ウラン系列やアクチニウム系列のトリウムはウランの子孫核種として扱われています。
- トリウムやウランを含まない NORMがあります。また、一定の数量を超えないとトリウムやウランを含む NORMは法で言う「核原料物質」には該当しません。
- 放射能は親核種に対して与えられています。精製されておらず、子孫核種と放射平衡にあると見なせる自然のウラン・トリウムでは、基準値となる親核種の放射能は、子孫核種による曝露の寄与も考慮して与えられています。
- 「精製トリウムの方が、放射能が多くてもよい」については、その理解でよいと思います。そのものが今いる人類に与えうるリスクの大きさで安全基準を設定したと考えることができるでしょう。
- 国際規制物資については「計量規制」なるものがあります。「国際規制物資使用の手続の手引」をご参考にされて下さい。
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【加藤の注】
我が国の制度設計に「国際規制物質」なる概念規定が持ち込まれたのは、“核不拡散”に係る国際協定を批准したことによるものと理解しています。すなわち、放射線安全管理にかかわる制度設計とは別の事情で定められたものということになります。対象が核兵器の原料と関係のない核種にまで及んでいるとの理解で“行政指導”等が行われていることに疑問を覚えます。 |
相談室#16 放射線施設からの廃棄物処理 |
【質問】
ごくわずかに放射化していている有害物質を含む廃棄物の処理はどうすればよいですか? |
【回答】
複合汚染物になるかどうかがポイントの一つになると思われます。
放射性廃棄物になるかどうかは、
・クリアランスレベルを超えるかどうか
で決定されます。 ただし、
・クリアランスレベルを下回っても非放射性廃棄物として扱うには関係者の理解が 不可欠です。
このためリスクコミュニケーション的な取り組みが重要です。
また、クリアランス検認のコストを考えると、ごくわずかに放射化しているものをク リアランス検認対象とするかどうかも実務上は重要です。
従って、NR(=放射性でない廃棄物)の考え方をバランスよく整理することが重要です。 |
相談室#15 放射線遮へい |
【質問】
点減衰核積分法によるγ線の遮蔽計算をするにあたり円板状線源と円柱線源に対する照射再生係数の一覧表を探しています。
今までは昭和61年に日本原子力情報センターから発行された「放射線遮蔽設計計算の理論と実際 第3巻 総集編」に記載されている表から読み取っていたのですが、その後、見直されたデータがあるのではないかと思い、探しています。
あまりニーズがなく、もうそのようなものは存在しないのでは?とも考えるのですが、もし、参考になる文献等がありましたら、その入手方法ともあわせてご教示いただきたくよろしくお願いいたします。 |
【回答】
最近の計算では、円板状線源と円柱線源に対する照射再生係数の一覧表を用いません ので、「放射線遮蔽設計計算の理論と実際 第3巻 総集編」以降最新のデータ集はありません。一部の修正されたデータが外国の論文にありますが、纏まったものではありません。
最近、円板状線源と円柱線源については、点等方線源照射再生係数を用いた、QAD-CGGP2 というプログラムで計算するのが一般的で、そのデータの最新のものは、「放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル」2007年版に掲載されています。また、QAD-CGGP2
は原子力コードセンター: http://www.rist.or.jp/nucis/ から入手できます。
予算があれば、コンピュータソフトの会社が代わりに計算してくれます。また、放射線線量解析ネットワークというボランティア団体は計算補助をしてくれます。 |
【解説】 (2014年11月5日修正)
本件のような遮蔽計算をするには、現在大きく4通りあります。
1.円板状線源と円柱線源に対する照射再生係数を用いた計算
2.点等方線源に対する照射再生係数用い、QAD-CGGP2というプログラムで計算する方法
3.ボルツマン輸送方程式を決定論的手法で解く方法:ANISN、DORTコード等
4.同方程式をモンテカルロ法で解く方法:PHITS、MCNPコード等
1は、最も簡単に計算できますが、使用可能なデータが限定的ですので、使用条件が制約されます。回答でも記載しましたように、「放射線遮蔽設計計算の理論と実際 第3巻 総集編」以降、最新のデータ集はありません。
2は日本で一般的に使用されている方法です。但し、幾何形状が一次元体系に限定されます。また、使用できるデータにより遮蔽体組成が制限されます。また、以前は、RIST(高度情報科学技術研究機構)から、QAD-CGGP2コードが配布されていましたが、著作権の問題から停止されました。現在では、代わりに、計算業務を行う会社から、例えば、QG-VIC等のコードが市販されています。
3は2より厳密に解くことができます。但し、幾何形状が限定され、核データファイルを使用する必要がありますので、知見がある方ではないと使用が困難です。計算コード及び核データは、RISTやOECD/NEA
データバンクから入手可能です。
4が一番厳密に解ける方法で、世界的には一般的です。しかし、核データファイルを使用する必要がありますので、やはり知見がある方ではないと使用が困難です。計算コード及び核データは、RISTやOECD/NEA
データバンクから入手可能です。初心者用の講習会も定期的に開催されています。MCNPの方が世界的には一般的ですが、コード使用制限がありますので、使用には許可が必要です。
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相談室#08 灰化された昆布からの被ばく量はいかほどか? |
【質問】
「灰化された昆布からの放射線は人体に極めて有害。」と言われる方がおられるのですが、どれぐらいの被ばく量になるのでしょうか?
「昆布を灰化すると容積が小さくなり、昆布中のK-40(2,000 Bq/kg)等が濃縮され、人体に危険なレベルとなる。」ということのようなのですが、どうなのでしょうか。』 という質問に対する答えを模索しております。
灰化された昆布に係わる「下記Q」に対する「A」をお教えいただくことは可能でしょうか?
■灰化された昆布からの被ばく量はいかほどか?
<質問者による推計>
干し昆布のK-40 : 2,000Bq/1kg、
体重60kg成人の体内K-40 : 4,000Bq/60kg、
体内+食物からの年間線量(世界平均): 0.29mSv/年
上記データより、干し昆布1kgを灰化した場合、灰化したこんぶの内蔵するK-40は 2,000Bqと、体内K-40の50%ですので、灰化した昆布1kgからの外部ひばく量は最大保守的に評価しても 0.15mSv/年(=0.29
mSv/年÷2) 未満とは思うのですが、灰化により重量および容積がいかほどに減容されるのか(濃縮率はいかほどなのか)、体内+食物からの年間線量(世界平均):0.29mSv/年のうちK-40による年間線量がいかほどなのかの実数を把握できておりませんため、説得力に欠けると思われ、お教えいただけますと幸甚に存じております。 |
【回答】
灰化という操作には同位体の濃縮作用がないので、人体も灰化した昆布もカリウムの同位体比は変わらず、40Kの存在比は0.0117%(specific
activity 260MBq/kg)です。従って、灰化した昆布を摂取することによって、体内の放射性カリウムの同位体比が変わることはあり得ません。
人体には恒常性を保つ生理作用があり、体内のカリウム存在比は大人で0.18%、子供で0.2%です。灰化した昆布を摂取することによって、一時的に体内のカリウム濃度が僅かに上昇することがあるとしても、余分のカリウムはやがて排泄され、体内のカリウム濃度は速やかにもとの値に戻ります。
以上から、放射性カリウムによる“内部被ばく(年齢平均で0.17 mSv/a)”が、灰化した昆布を摂取することで著しく増加するという主張は誤りであることが分ります。
なお、消化管内の灰化した昆布が消化管壁に与える“外部被ばく”も一過性のものであり、考慮に値しません。 |
相談室#06 放射線業務従事者の教育訓練について |
【質問】
放射線業務従事者の教育訓練についての質問です。私は、第一種作業環境測定士の登録講習を受講しようと考えている診療放射線技師です。この登録講習に参加するために、事前に放射線業務従事者のための教育訓練を受講しておく必要がありその証明書が必要とのことでした。しかし、私の病院では教育訓練を実施していません。そこで質問です。
- 放射線業務従事者の教育訓練が省略できることはあります か?
- また、放射線業務従事者としての登録、教育訓練の実施報告 を関係機関に報告する義務はありますか?
- 教育訓練を実施する場合、自分の病院の放射線技師、医師等講師として既定の時間を修了しても問題ありませんか?
- 作業環境測定士の登録講習を受講する際に提出する教育訓練を修了した証明書は任意の形式で構わないのですか?
- また、その証明書に必ず記載しなければならない事項はありますか?
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【回答】
第1種作業環境測定士(放射性物質)の指定講習機関は、RI協会ですが、申し込みに際して「放射線業務従事者のための教育訓練の受講証明書」を要しないとのことです。下記の
URLで、必要書類をもう一度ご確認下さい。
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,399,103,220,html |
【参考】
≪質問の前提≫ 医療機関等の診療放射線技師が第1種作業環境測定士(放射性物質)講習(厚生労働省登録講習)を受講する際の書類として、放射線業務従事者のための教育訓練の受講証明書が要求されることはありません。必要なのは、診療放射線技師の免許証の写しと「第二種作業環境測定士講習修了証」又は「作業環境測定士登録証」の写しなどです。
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,399,103,220,html
- 放射線業務従事者の教育訓練が省略できることはありますか?
放射線障害防止法に基づく教育訓練は省略できることがあります(法第22条、規則第21条の2)。
- 放射線業務従事者としての登録、教育訓練の実施報告を関係機関に報告する義務はありますか?
放射線障害防止法では、報告する義務を課していませんが、記帳する義務は課せられています(規則第24条)。これらの記帳は定期確認での確認対象です。
- 教育訓練を実施する場合、講師を務める放射線業務従事者には、そのことを以って“受講”とみなすことが許されるものでしょうか?
講師はその科目の教育訓練を省略できると考えられています(講師の資質として)。
- 作業環境測定士の登録講習を受講する際に提出する教育訓練を修了した証明書は任意の形式で構わないのですか?
そのような証明書は要求されていません。もしかしたら、第1種放射線取扱主任者等での実務経験3年以上の規定を使う場合と混同されているのではないでしょうか。その場合であっても、必要なのは、実務経験証明書であって教育訓練に関する証明書ではありません。
- またその証明書に必ず記載しなければならない事項はありますか?
そのような証明書は要求されていません。
なお、基安労発第0129003 号「透過写真撮影業務特別教育に係る科目の省略の取扱いに係る周知について」により労働安全衛生法に定める教育の一部は障害防止法での教育訓練として行うことができます。
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/200206-a00.pdf
「透過写真撮影業務特別教育に係る科目の省略の取扱いに係る周知について」の背景を理解するための総務省のリポートでは、176ページに記述されています。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070807_1_2_11.pdf |
相談室#01 防護衣の着用 |
【質問】
妊娠した当院の職員が、婦人科医の指示で、X 線室に入る際に防護衣の着用を希望し、「撮影中に立ち入らないので必要ない」と説明しても納得しません。職員を安心させられ
るうまい説明方法があるでしょうか。 |
【回答】
婦人科ではX 線透視下での検査が少なくないため、主治医からそのような指示があったものと思われます。しかし、貴院でのX 線撮影が、撮影中にX
線室に立ち入らないものならば、防護衣を着用する必要がないのは、おっしゃる通りです。ただ、妊婦の方は、いろいろなことで不安に陥り易い心理状態にありがちですから、「X
線は光と同じで、照射中しか出ないし、照射後まで室内に残ることもない。」という理屈の説明だけで、なかなか納得して戴けない場合があるかも知れません。
本人の安心のため不必要な防護衣を着用させるという妥協策も考えられますが、X 線に関する職員の誤った理解が来院される患者さんに伝わる可能性もあり、お問い合わせ戴きましたように、職員の方に正しく理解して戴く方向で解決すべきだと思います。
しかし、妊婦さんにとって婦人科の主治医の指示は重い意味を持ちますから、周囲からいろいろ理屈を説明して心理的な板挟み状態に追い込むのは避けたいと思います。先ず、婦人科医にその職員の作業状況をご連絡され、指示を撤回して戴いた上で、X
線装置とX 線に関する科学的な説明をされるのが、最も穏やかで納得を得易い方法だと思います。なお、ご承知のことと存じますが、小児や高齢者などを介助しながら撮影する場合には、貴院におかれても介助者に防護衣を着用させる必要があります |
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